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Rinsho Hifuka Volume 69, Issue 1 （January 2015）

臨床皮膚科 69巻1号（2015年1月発行）

Japanese English

症例報告

若年女性の下腿に限局して生じたtransient acantholytic dermatosisの1例 A young female case of transient acantholytic dermatosis confined to the lower legs 松本奈央子 ¹ , 茶谷彩華 ¹ , 畑康樹 ¹ , 葛西邦博 ² Naoko MATSUMOTO ¹ , Ayaka CHAYA ¹ , Yasuki HATA ¹ , Kunihiro KASAI ² ¹済生会横浜市東部病院皮膚科 ²千歳皮膚科 ¹Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama City Toubu Hospital, Yokohama, Japan ²Chitose Medical Office of Dermatology, Yokohama, Japan キーワード： transient acantholytic dermatosis , 若年者 , 下腿に限局 Keyword: transient acantholytic dermatosis , 若年者 , 下腿に限局 pp.38-41

発行日 2015年1月1日 Published Date 2015/1/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204276

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要約　18歳，女性．初診1か月前より両下腿に掻痒を伴う皮疹が生じ，近医でステロイド外用，抗アレルギー薬，抗生剤，プレドニゾロン20mg/日の内服で加療されるも改善なく，当科を受診した．初診時，両下腿伸側に米粒大から小指頭大までの紅斑や丘疹，緊満性の小水疱が散在していた．病理組織像では表皮に著明な棘融解を認め，内部に棘融解細胞を有していた．また真皮浅層から中層の血管周囲に炎症細胞浸潤を認めた．蛍光抗体直接法は陰性であった．以上よりtransient acantholytic dermatosisと診断した．ミノサイクリン塩酸塩を開始し約2か月の経過で軽快し再発を認めていない．Transient acantholytic dermatosisは体幹，四肢に多発散在し中高年に多い疾患とされており，若年者で下腿のみに生じた例は稀である．