Japanese
English
症例報告
有茎性を呈した充実型基底細胞上皮腫
Pedunculated Solid Basal Cell Epithelioma
久 智行
1
,
古川 雅祥
1
,
中川 浩一
1
,
伏田 宏代
1
,
持田 和伸
1
,
後藤 靖
1
,
濱田 稔夫
1
Tomoyuki HISA
1
,
Masayoshi FURUKAWA
1
,
Koichi NAKAGAWA
1
,
Hiroyo FUSHIDA
1
,
Kazunobu MOCHIDA
1
,
Yasushi GOTO
1
,
Toshio HAMADA
1
1大阪市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Osaka City Univerisity Medical School
キーワード:
基底細胞上皮腫
,
有茎性
,
充実型
Keyword:
基底細胞上皮腫
,
有茎性
,
充実型
pp.1113-1115
発行日 1993年11月1日
Published Date 1993/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901055
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54歳,女性.出生時より右下顎部に黒子様の皮疹が存在していたというが,1年前より次第に増大してきた.その後,擦過に伴い時折出血を来すようになった.初診時,15mm×15mm大,高さ7mm,真珠様光沢を有し,一部に痂皮を付着した,黄紅色〜黒褐色の弾性硬,有茎性の腫瘤が存在した.病理組織学的には,表皮と連続して伸びる基底細胞様細胞の集塊が認められ,真皮下層まで連続性に,一部島状に存在していた.個々の細胞は異形性が少なく,楕円形の大きな濃染する核を有していた.その辺縁部は柵状に配列し,間質は浮腫状で炎症細胞の浸潤も認められた.以上より,solid basal cell epithelioma of the infiltrative typeと診断した.治療としては,腫瘍全摘出術を行い,現在まで再発を認めていない.臨床的に,このtypeでの有茎性基底細胞上皮腫はまれと考えられ,考察を加えた.
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