Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1993
IV 治療のトピックス
シクロスポリンの皮膚疾患への応用,外用剤の効果
Cyclosporin ointment for skin diseases
溝口 昌子
1
,
川口 武人
1
,
大須賀 康子
1
,
碇 優子
1
,
柳川 明
2
,
水島 裕
2
Masako MIZOGUCHI
1
,
Takehito KAWAGUCHI
1
,
Yasuko OHSUGA
1
,
Yuko IKARI
1
,
Akira YANAGAWA
2
,
Yutaka MIZUSHIMA
2
1聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室
2聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine
2Institute of Medical Science, St. Marianna University School of Medicine
キーワード:
シクロスポリン外用剤
,
乾癬
,
アトピー性皮膚炎
Keyword:
シクロスポリン外用剤
,
乾癬
,
アトピー性皮膚炎
pp.127-132
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900894
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シクロスポリン(CyA)の内用が種々の皮膚疾患に有効であることは,よく知られている.しかしながら長期連用による副作用のため,内用の適応には当然制約がある.今回,新しい軟膏基剤によるCyA外用剤を用い,マウスで経皮吸収と接触過敏の抑制を確認した後,アトピー性皮膚炎12例と乾癬21例に,週2回塗布で有用性をopen studyで検討した.前者は2週間観察で総スコア10.6が6.4と改善した.乾癬は症例により4〜8週間観察した.平均の総スコアは11.1から8週間後に3.8となったが,不変あるいは増悪のため4週で中止した症例が7例あった.CyA内服と比較すると効果発現までに長期間を要し,著効例も少なかった.しかしながら治療を中止しても寛解期は長かった.4例につき治療前後で酵素抗体法で検討したところ,CD4,HLA-DR,ICAM−1陽性細胞の減少がみられ,CyA内服による所見と同様であった.CyA血中濃度は低く,副作用は全例なかった.
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