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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1992
IV 治療のトピックス
ステロイド外用剤による接触皮膚炎—交叉感作性についての検討
Contact dermatitis due to topical steroids: with conceivable cross reactions between topical steroid preparations
大井 綱郎
1,2
,
金井 貴子
1
Tsunao OH-I
1,2
,
Takako KANAI
1
1東京医科大学霞ヶ浦病院皮膚科
2東京医科大学八王子医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Tokyo Medical College Kasumigaura Hospital
キーワード:
ステロイド外用剤
,
アレルギー性接触皮膚炎
,
交叉反応
Keyword:
ステロイド外用剤
,
アレルギー性接触皮膚炎
,
交叉反応
pp.161-167
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900625
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本来は炎症を鎮める効能を期待されているステロイド外用剤によるアレルギー性接触皮膚炎が知られている.これまでの症例を検討すると,各種ステロイドによる交叉反応性も,詳しく見ると4つのタイプに分類できると考えられる.類型としては,(1)ベタメサゾンのようにステロイド骨格構造そのものが抗原決定基となっているもの,(2)ステロイドD環上側鎖のクロルメチルケトンが原因となっているもの,(3)D環C16およびC17のα側にあるcis-diaxial-diol側鎖,およびそのケタール型保護基が関与しているもの,そして(4)17α位の水酸基を保護しているエステル部分によるもの,である.本来は炎症を鎮める役割を果たしているはずの副腎皮質ステロイドホルモンが,異常反応の原因になるということは珍しい現象である.アレルギー反応のメカニズム解明に向けて,貼布試験を行いつつ,今後も考え続けたい.
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