Japanese
English
症例報告
指端壊疽を主訴とする全身性強皮症
Progressive Systemic Sclerosis Presenting as Digital Gangrene
安江 隆
1
Takashi YASUE
1
1名古屋大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nagoya University School of Medicine
キーワード:
全身性強皮症
,
指端壊疽
,
肺線維症
,
抗凝固療法
,
線溶療法
Keyword:
全身性強皮症
,
指端壊疽
,
肺線維症
,
抗凝固療法
,
線溶療法
pp.569-572
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900403
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指端壊疽を主訴として来院し,皮膚生検所見,肺所見,臨床検査所見などから全身性強皮症(SS)と診断された2例を報告した.両症例共に皮膚硬化は軽微で,初診時までSSと診断されていなかった.いずれでも3年前よりレイノー現象が,また初診時には指尖の陥凹性瘢痕が認められた.1例では,1年前より乾性咳嗽があり,胸部X線検査とCT検査で肺線維症と診断され,皮膚生検でSSに一致する所見が示された.他の1例では,抗Scl−70抗体が陽性であった.ループス抗凝固因子,抗カルジオリピン抗体,BFPは両症例共に陰性であった.2例共に,線溶療法,抗凝固療法,リポPGE1注射の併用にて手指切断に至ることなく治癒した.レイノー現象と指端壊疽を示す患者をみたら,皮膚硬化が臨床的に明らかでなくてもまずSSを疑い,早期に診断して早期より適切な治療を行うことが必要と思われた.
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