Japanese
English
症例報告
苔癬型組織反応を認めたDDSによる光線過敏型薬疹
DDS-Induced Photosensitive Lichenoid Eruption
足立 厚子
1
,
谷 昌寛
1
Atsuko ADACHI
1
,
Masahiro TANI
1
1神戸大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
DDS
,
光線過敏型薬疹
,
苔癬型組織反応
Keyword:
DDS
,
光線過敏型薬疹
,
苔癬型組織反応
pp.903-906
発行日 1990年8月1日
Published Date 1990/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900172
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病理組織学的に苔癬型組織反(lichenoid tissue reaction,LTR)を認めたDDSによる光線過敏型薬疹の1例を報告した.症例は55歳の男性で水疱性類天疱瘡にて,ステロイド・DDS併用内服治療開始約6カ月後より顔面・項部・手背に瘙痒性紅斑が出現してきた.DDS内服時の露光部に限局した皮疹の分布と主として長波長紫外線(UVA)領域の著明なMEDの低下を認めたこと,DDS内服中止にて皮疹の速やかな軽快とMEDの正常化を認めたこと,DDS内服負荷にて同様皮疹を誘発し得たことよりDDSによるtransient typeの光線過敏型薬疹で,その作用波長は主としてUVA領域にあると考えた.また,病理組織学的にLTRを示す皮疹を単に個々の皮疹の形態的特徴から分類し既知の疾患名にあてはめるよりも,graft-versus-host reac—tion(GVHR)あるいはGVHR様機序により引き起こされる1つのスペクトル上の疾患であるととらえるべきことを強調し,薬疹の病理組織学的検索の必要性を述べた.
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