Japanese
English
症例報告
ビカルタミドによる光線過敏型薬疹
Photosensitive drug eruption induced by bicaltamide
井藤 遥
1
,
岩橋 ゆりこ
1
,
笠 ゆりな
1
,
濱田 裕子
1
,
宇野 裕和
1
,
中田 土起丈
1
Haruka ITO
1
,
Yuriko IWAHASHI
1
,
Yurina KASA
1
,
Yuko HAMADA
1
,
Hirokazu UNO
1
,
Tokio NAKADA
1
1昭和大学藤が丘病院皮膚科
1Department of Dermatology, Showa University Fujigaoka Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
光線過敏型薬疹
,
ビカルタミド
,
前立腺癌
Keyword:
光線過敏型薬疹
,
ビカルタミド
,
前立腺癌
pp.200-202
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205652
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要約 83歳,男性.前立腺癌に対して7か月前よりビカルタミド,L-アスパラギン酸カルシウム水和物を投与された.初診10日前に手背に瘙痒を伴う発疹が出現したため,自己判断でビカルタミドを除くすべての薬剤を中止したが,皮疹は増悪し,両前腕,顔面にも拡大した.現症として,顔面,両前腕から手背に鱗屑,痂皮の付着を伴う暗紅色の浮腫性紅斑を認め,両頰部,前腕では腫脹を伴っていた.ビカルタミドを中止し,ステロイド外用を施行したところ,皮疹は6日後には軽快した.既報告例と照らし合わせ,ビカルタミドによる光線過敏型薬疹と診断した.本症には①内服開始1か月以上を経て発症,②症状は比較的軽度でステロイド外用のみで軽快,③UVBが作用波長と考えられているが,より高波長でも生じる可能性がある,④遮光により継続投与可能といった特徴がみられた.
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