Japanese
English
症例報告
プラスミノーゲン分子異常症を合併したうっ滞性下腿潰瘍
Stasis Ulcer Associated with Congenital Abnormal Plasminogen
田中 美佐子
1
,
橋本 久美子
1
,
八丁目 直寛
1
,
大熊 恒郎
2
,
森 和夫
3
Misako TANAKA
1
,
Kumiko HASHIMOTO
1
,
Naohiro HATCHOME
1
,
Tsuneo OKUMA
2
,
Kazuo MORI
3
1東北大学医学部皮膚科学教室
2東北大学医学部第2外科
3東北大学医学部第3内科
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
2Department of Surgery, Tohoku University School of Medicine
3Department of Internal Medicine, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
プラスミノーゲン分子異常症
,
深部静脈血栓症
,
うっ滞性潰瘍
,
下腿潰瘍
Keyword:
プラスミノーゲン分子異常症
,
深部静脈血栓症
,
うっ滞性潰瘍
,
下腿潰瘍
pp.695-698
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900131
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プラスミノーゲン分子異常症は日本人に比較的多い遺伝性の線溶因子異常症であり,静脈血栓症との関連が指摘されている.症例は60歳の女性で,約6年前から左下腿に潰瘍があり,植皮術や外用剤治療を受けたが治癒しなかった.静脈造影で左下腿の深部静脈血栓を,凝固線溶系の検査で患者とその娘にプラスミノーゲン分子異常症を認めた.潰瘍は1カ月間の下肢挙上の徹底によって,治癒した.自験例のように外用剤や植皮術に反応しにくい下腿の潰瘍をみた時にはうっ滞性潰瘍を考え,血管造影や凝固線溶系の検査を行うことが必要である.また,その治療法としての下肢挙上は基本的で重要である.
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