Japanese
English
症例報告
下腿潰瘍に合併したパラベンによる接触皮膚炎の1例
A case of contact dermatitis with leg ulcer due to paraben
深井 恭子
1
,
山口 さやか
1
,
大嶺 卓也
1
,
山城 充士
1
,
眞鳥 繁隆
1
,
高橋 健造
1
Kyoko FUKAI
1
,
Sayaka YAMAGUCHI
1
,
Takuya OMINE
1
,
Atsushi YAMASHIRO
1
,
Shigetaka MATORI
1
,
Kenzo TAKAHASHI
1
1琉球大学大学院医学研究科皮膚病態制御学講座
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, University of the Ryukyus, Okinawa, Japan
キーワード:
下腿潰瘍
,
接触皮膚炎
,
パラベン
Keyword:
下腿潰瘍
,
接触皮膚炎
,
パラベン
pp.393-396
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205113
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要約 27歳,女性.オコゼ刺傷による右下腿皮膚潰瘍に対して,ゲーベン®クリームを外用していたが難治のため当科を紹介受診した.潰瘍周囲に紅斑,丘疹が広がり,ゲーベン®クリームの外用を中止したところ,潰瘍部の肉芽形成が良好となり植皮術を行った.術後,顔や植皮部にヒルドイド®ソフト軟膏を外用し,瘙痒が出現していたが不定期に外用を続けていた.約1年後に全身に紅斑が拡大し,再度当科を受診した.パッチテストでは,ゲーベン®クリーム,ヒルドイド®ソフト軟膏,これらに共通した添加物であるパラベンが陽性だった.自験例では,最初の接触皮膚炎の診断時に原因成分までは特定しなかったため,パラベン含有薬剤の外用を継続し経過が長期化した.パラベンは身近な医薬品,化粧品に数多く含まれており,難治性の皮膚炎や皮膚潰瘍では,パラベン類へのアレルギーも念頭に置きたい.
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