Japanese
English
症例報告
全身性の貨幣状湿疹の像を呈した骨接合用金属によるアレルギー性皮膚炎の1例
A Case of Allergic Dermatitis (Generalized Nummular Eczema) Induced by Osteosynthesis Metals
小粥 雅明
1,3
,
海老原 全
1
,
杉浦 丹
1
,
高橋 惇
2
Masaaki OGAI
1,3
,
Tamotsu EBIHARA
1
,
Makoto SUGIURA
1
,
Makoto TAKAHASHI
2
1清水市立病院皮膚科
2清水市立病院整形外科
3浜松医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Shimizu City Hospital
2Department of Orthopedics, Shimizu City Hospital
キーワード:
金属アレルギー
,
アレルギー性皮膚炎
,
貨幣状湿疹
Keyword:
金属アレルギー
,
アレルギー性皮膚炎
,
貨幣状湿疹
pp.691-694
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900130
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52歳,女性.昭和60年に変形性膝関節症にて同部に骨接合用金属釘の挿入の既往あり.61年11月頃より両下腿に貨幣状湿疹様病変が出現,治療に抵抗し,皮疹の新生を繰り返し,62年11月には大腿,躯幹,上腕にも同様皮疹が拡大してきた.下肢の皮疹より生検した病理組織像は,湿疹型組織反応の像を呈していた.60年に挿入された金属釘によるアレルギー性皮膚炎を疑い,金属シリーズのパッチテストを施行.クロム(骨接合用金属釘に含有)に陽性を示したため,62年11月に金属釘抜去術を施行した.術後約1週間で皮疹は急速に軽快,以後再発を認めない.以上より本例を骨接合用金属によるアレルギー性皮膚炎と診断した.本症で貨幣状湿疹の臨床像を呈した報告はなく,貨幣状湿疹という疾患の原因の一つとして金属が関与している可能性を示唆する1例と考えた.
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