Japanese
English
症例報告
自然消退傾向を示した後に再増大したinfantile digital fibromatosisの1例と本邦報告例のまとめ
A case of reinflated infantile digital fibromatosis after spontaneous partial regression and a review of Japanese literature
橋本 真央
1
,
永瀬 浩太郎
1
,
大園 亜季
1
,
西 純平
1
,
田中 佳世
1
,
井上 卓也
1
Mao HASHIMOTO
1
,
Kotaro NAGASE
1
,
Aki OZONO
1
,
Junpei NISHI
1
,
Kayo TANAKA
1
,
Takuya INOUE
1
1佐賀大学医学部内科学講座皮膚科
1Division of Dermatology, Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Saga University, Saga, Japan
キーワード:
乳児指趾線維腫症
,
infantile digital fibromatosis
,
inclusion body fibromatosis
Keyword:
乳児指趾線維腫症
,
infantile digital fibromatosis
,
inclusion body fibromatosis
pp.999-1004
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207453
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 5歳,男児.右第3指内側に硬い淡紅色結節が出現し,徐々に増大したため当科を受診した.初診後,結節は比較的急速に増大し,初診から5週間後に生検を行った.臨床所見と病理組織学的所見からinfantile digital fibromatosis(IDF)と診断し,自然消退を期待して経過観察の方針とした.病変は症状出現から約8か月後まで増大した後に縮小傾向を認めたが,完全消退する前に再増大した.その後も経過観察を続けたところ,再増大から約2.3年後に再度縮小傾向を認め,最終的に発症から約5年でほぼ消退した.IDFの臨床的特徴として自然消退することが挙げられ,成長障害や機能障害,拘縮がなければ経過観察が望ましいと考えられている.きわめて稀な疾患であるが,自然消退までどのような経過をたどる可能性があるのか,医療者が認識しておくことが重要と考えられた.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.