Japanese
English
症例報告
グラム陰性桿菌による壊死性軟部組織感染症の2例
Two cases of necrotizing soft-tissue infection caused by gram-negative bacilli
髙山 茜
1
,
藤井 皓
1
,
谷内 克成
1
,
古木 遥
2
,
吉田 智香子
2
Akane TAKAYAMA
1
,
Ko FUJII
1
,
Katsushige TANIUCHI
1
,
Haruka FURUKI
2
,
Chikako YOSHIDA
2
1公立能登総合病院皮膚科
2公立能登総合病院形成外科
1Division of Dermatology, Noto General Hospital, Nanao, Japan
2Division of Plastic Surgery, Noto General Hospital, Nanao, Japan
キーワード:
壊死性軟部組織感染症
,
グラム陰性桿菌
,
エンドトキシン
Keyword:
壊死性軟部組織感染症
,
グラム陰性桿菌
,
エンドトキシン
pp.959-963
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207441
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要約 症例1:79歳,女性.発熱,右下腿の疼痛で救急搬送.蜂窩織炎を疑いセフトリアキソン投与を開始した.入院2日目に同部に暗紫色斑が出現し急激な血圧低下をきたした.壊死性軟部組織感染症(necrotizing soft-tissue infection : NSTI)と診断しデブリードマンを行い救命しえた.創部から大腸菌が検出された.症例2:80歳,男性.発熱,血圧低下で救急搬送.重症感染症としてメロペネム,ノルアドレナリン投与が開始された.入院2日目に当科を紹介された.NSTIと診断し,デブリードマンを行ったが入院3日目に死亡.血液と創部より緑膿菌が検出され,エンドトキシンは1,067 pg/mlと高値であった.グラム陰性桿菌感染症では,抗菌薬投与後に菌体破壊によりエンドトキシンが放出され,循環動態の悪化を来たすことがあるため,NSTIを疑った場合にはより速やかな外科的治療が必要である.
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