Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002
1.最近話題の皮膚疾患
Aeromonas壊死性軟部組織感染症
Necrotizing soft tissue infection due to Aeromonas spp.
立山 直
1
,
松岡 博史
2
,
大西 真
3
,
林 哲也
3
,
瀬戸山 充
1
Sunao TATEYAMA
1
,
Hiroshi MATSUOKA
2
,
Makoto OHNTSHI
3
,
Tetsuya HAYASHI
3
,
Mitsuru SETOYAMA
1
1宮崎医科大学皮膚科学教室
2宮崎医科大学集中治療部
3宮崎医科大学微生物学教室
1Department of Dermatology, Miyazaki Medical College
2Department of Intensive Care Unit, Miyazaki Medical College
3Department of Microbiology, Miyazaki Medical College
キーワード:
Aeromonas属
,
肝硬変
,
壊死性胃腸炎
,
壊死性軟部組織感染症
,
毒素
Keyword:
Aeromonas属
,
肝硬変
,
壊死性胃腸炎
,
壊死性軟部組織感染症
,
毒素
pp.20-25
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903918
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Aeromonas属のA.hydrophilaとA.sobriaは食中毒起因菌の1つに指定されており,下痢発症菌としての細菌学的研究は比較的よくなされている.しかしA.hydrophilaとA.sobriaが極めて致死率の高い壊死性軟部組織感染症(necrotizing soft tissue infection:NSI)を引き起こすことはあまりよく認識されておらず,NSIの発症メカニズムは現在までのところ不明である.類似の病態であるVi—brio vulnificusによるNSIは,肝硬変に特異的に多く発症し,消化器症状は軽度で,7割が死亡している.一方,AeromonasによるNSIは,肝硬変にも多く発症するが,ほかに白血病,胃癌などの悪性疾患患者にも発症し,血性下痢など激しい消化器症状を呈することが多く,ほとんどの症例が死亡している.急速に進行し,治療にほとんど反応せずに,病院に搬入後数時間のうちに死亡する症例もある.
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