Japanese
English
特集 細菌感染症
項部壊死性軟部組織感染症の1例
Necrotizing soft tissue infection of the posterior neck
宮原 麻衣
1
,
井波 真矢子
2
,
出月 健夫
2
,
五十嵐 敦之
3
Mai MIYAHARA
1
,
Maiko INAMI
2
,
Takeo IDEZUKI
2
,
Atsuyuki IGARASHI
3
1東京大学医学部附属病院,皮膚科
2NTT東日本関東病院,皮膚科(主任:出月健夫部長)
3いがらし皮膚科東五反田,東京都品川区
キーワード:
壊死性軟部組織感染症
,
壊死性筋膜炎
,
癰
,
糖尿病
Keyword:
壊死性軟部組織感染症
,
壊死性筋膜炎
,
癰
,
糖尿病
pp.1456-1458
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004792
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51歳,男性。2週間前に項部の発赤と腫脹を主訴に近医を受診した。癰の診断で抗菌薬の内服治療を開始したが改善に乏しく,再診時に体動困難となったため当院へ救急搬送された。来院時に項部左側が約20cmの範囲で強く発赤腫脹し,表面に膿疱を伴っていた。コントロール不良の糖尿病あり。切開排膿時に皮下軟部組織の広範な壊死を認め壊死性軟部組織感染症の診断に至った。頭頸部壊死性軟部組織感染症はまれであり,診断や治療が遅れると重篤な経過をとることがある。自験例は基礎疾患に予後悪化因子である糖尿病があったが,早期の全身麻酔下でのデブリードマンの施行,縦隔への炎症波及を認めなかったことから救命に至ったと考えた。
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