Japanese
English
症例報告
多診療科連携による集学的治療を行った肺転移を伴う右心房原発血管肉腫の1例
A case of primary cardiac angiosarcoma of the right atrium with multiple pulmonary metastases who receive multidisciplinary treatment in cooperation with various departments
小山 明日実
1
,
永井 幸司郎
1
,
向川 早紀
1
,
尾松 淳
1
,
三宅 知美
1
,
山下 尚志
1
,
宮川 卓也
1
,
木下 修
2
,
安藤 政彦
2
,
小野 稔
2
,
佐藤 伸一
1
Asumi KOYAMA
1
,
Kojiro NAGAI
1
,
Saki MUKOGAWA
1
,
Jun OMATSU
1
,
Tomomi MIYAKE
1
,
Takashi YAMASHITA
1
,
Takuya MIYAGAWA
1
,
Osamu KINOSHITA
2
,
Masahiko ANDO
2
,
Minoru ONO
2
,
Shinichi SATO
1
1東京大学医学部附属病院皮膚科
2東京大学医学部附属病院心臓外科
1Department of Dermatology, The University of Tokyo Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Heart Surgery, The University of Tokyo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
心臓原発血管肉腫
,
パクリタキセル
Keyword:
心臓原発血管肉腫
,
パクリタキセル
pp.941-946
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207438
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 52歳,男性.初診3か月前から胸部圧迫感と息切れを自覚し,前医を受診した.CTで右心房に腫瘤性病変を認め,心臓血管外科での開胸生検で心臓原発血管肉腫と診断された.その後,多発肺転移が出現し,治療目的に当科を受診した.手術適応外と判断され,化学放射線同時併用療法を行う方針とし,放射線科と連携しパクリタキセルおよび画像誘導放射線治療を開始した.2か月後に肺転移は消失し,心臓血管外科にて原発巣の切除を施行し,現在まで術後38か月の長期生存が得られている.心臓原発血管肉腫に対する治療は未だ確立されていないが,これまでの報告から術後治療介入により生存期間が延長する可能性が示唆された.一方,術前治療介入例は少数であった.血管肉腫は皮膚原発例が最も多く皮膚科医の果たす役割は大きい.皮膚原発例に限らず,血管肉腫の治療においても多診療科連携による集学的治療が重要である.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.