Japanese
English
症例報告
自然消退を認めた毛包向性菌状息肉症の1例
A case of folliculotropic mycosis fungoides with spontaneous regression
平塚 理沙
1
,
中村 元泰
1
,
関東 裕美
1
,
石河 晃
1
Risa HIRATSUKA
1
,
Motoyasu NAKAMURA
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, School of medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
毛包向性菌状息肉症
,
自然消退
,
ナローバンドUVB
Keyword:
毛包向性菌状息肉症
,
自然消退
,
ナローバンドUVB
pp.439-443
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205122
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要約 64歳,女性.2か月前から増大する,人中左側の結節を主訴に当科を受診した.初診時,人中左側に境界明瞭でドーム状に隆起する27×22mmの弾性やや軟の淡紅色結節がみられた.血液検査では異常所見はなかった.病理組織学的に真皮毛包周囲を中心に,密なリンパ球様細胞の増殖がみられた.一部で毛包内にも浸潤していたが,表皮内浸潤はみられなかった.これらの細胞は,CD3陽性,CD4>CD8陽性であった.T細胞受容体遺伝子再構成が陽性であったことから,毛包向性菌状息肉症(T3N0M0,stage ⅡB)と診断した.結節は,諸検査の結果を待つ間に,無治療で平坦化する傾向がみられていた.顔面全体にナローバンドUVB療法を開始し同部の結節は完全に消退に至ったが,照射野内の耳前部,頰部に浸潤を触れる紅斑が新生した.以上の経過より人中部の結節は自然消退と考えた.毛包向性菌状息肉症の自然消退はこれまで報告がなく稀と思われた.
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