Japanese
English
原著
過去15年間に当科で経験した肉芽腫性口唇炎16例の臨床的検討
Clinical review of 16 cases of cheilitis granulomatosa experienced in our department during the past 15 years
齋藤 聡一郎
1
,
高村 さおり
1
,
人見 勝博
1
,
福田 知雄
1
Soichiro SAITO
1
,
Saori TAKAMURA
1
,
Katsuhiro HITOMI
1
,
Tomoo FUKUDA
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Saitama Medical Center, Saitama Medical University, Kawagoe, Japan
キーワード:
肉芽腫性口唇炎
,
金属アレルギー
,
歯性感染症
,
トラニラスト
Keyword:
肉芽腫性口唇炎
,
金属アレルギー
,
歯性感染症
,
トラニラスト
pp.809-815
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207410
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要約 過去15年間で当科を受診し,臨床または病理組織所見により確定診断をつけた肉芽腫性口唇炎のうち1年以上経過観察ができた16例を臨床的に検討した.明らかな原因および増悪因子として,歯性感染症が3例,金属アレルギーが1例で確認された.上記4例のうち,原因の除去も併せて行い,2例では完全奏効が得られた.治療は全例がトラニラストを内服し,他剤の内服併用,タクロリムス軟膏併用が各8例,メトロニダゾールクリーム併用が3例,ステロイド外用併用が2例で行われていた.完全奏効を除いた14例の結果は,部分奏効11例,不変3例と,難治ながら多くの症例が軽快していた.誘因および増悪因子が明確であるものに関しては,完全奏効が得られる可能性があり,その除去を積極的に行うべきと考える.より難治な症例においては,薬剤の組み合わせ,いっそうの工夫が改善のためには必要と考えた.
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