Japanese
English
症例報告
G-CSF製剤投与によりSweet病と大動脈炎を併発した1例
A case of Sweet's disease and aortitis induced by G-CSF
木下 真太郎
1
,
井関 梢
1
,
亀田 瑛佑
1
Shintaro KINOSHITA
1
,
Kozue ISEKI
1
,
Eisuke KAMEDA
1
1船橋市立医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Funabashi Municipal Medical Center, Funabashi, Japan
キーワード:
Sweet病
,
大動脈炎
,
G-CSF製剤
Keyword:
Sweet病
,
大動脈炎
,
G-CSF製剤
pp.817-822
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207411
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要約 72歳,女性.卵巣癌に対して化学療法中.ペグフィルグラスチム投与後に発熱と左前腕の紅斑・腫脹・疼痛を認め,当科を初診した.蜂窩織炎を疑い抗菌薬内服を開始したが,左前腕の紅斑は改善せず,左手関節部に新規の紅斑が出現した.紅斑部の病理組織像では真皮から皮下脂肪織にかけてびまん性に好中球浸潤があり,Sweet病と診断した.また造影CTで左総頸動脈と下行大動脈の周囲に脂肪織濃度上昇を認め,大動脈炎も併発していた.G-CSF製剤投与後にSweet病と大動脈炎を併発した症例は調べえた限り過去に報告はない.G-CSF製剤投与後に疼痛を伴う紅斑を認めた際にはSweet病を鑑別に挙げる必要があると考える.また皮膚症状が軽度にも関わらず発熱や炎症反応高値がみられた際には,血管炎や感染症などSweet病以外の病態を併発している可能性を考慮し,画像検査などによる原因検索を検討するべきである.
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