Japanese
English
症例報告
ボリコナゾール投与中止後も出現を繰り返した多発光線関連皮膚癌の1例
A case of rays related squamous cell carcinomas repeatedly occurred in spite of voriconazole withdrawal
石原 麻衣子
1
,
井上 優貴
1
,
吉川 真人
1
,
大見 修也
1
,
犬飼 実紗子
1
Maiko ISHIHARA
1
,
Yuki INOUE
1
,
Masato YOSHIKAWA
1
,
Michiya OMI
1
,
Misako INUKAI
1
1日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院皮膚科
1Division of Dermatology,Japanese Red Cross Aichi Medical Center Nagoya Daiichi Hospital, Nagoya, Japan
キーワード:
多発皮膚有棘細胞癌
,
ボリコナゾール
,
光線過敏症
,
光線関連皮膚癌
,
VRCZ
Keyword:
多発皮膚有棘細胞癌
,
ボリコナゾール
,
光線過敏症
,
光線関連皮膚癌
,
VRCZ
pp.743-747
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207395
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要約 69歳,男性.62歳時,骨髄異形成症候群に対して同種骨髄移植後,深在性真菌感染症予防目的にボリコナゾールの内服を開始した.6年11か月後に左手背に結節を認め有棘細胞癌と診断した.その後も5か月の経過で手背や顔面などの露光部に有棘細胞癌や日光角化症を複数認め,ボリコナゾール内服の中止と遮光指導を継続した.その結果,有棘細胞癌や日光角化症の出現頻度は減ったが,中止後1年が経過するまでの間で3か所に日光角化症,3か所に有棘細胞癌の新規出現を認めた.ボリコナゾールの代謝遺伝子の多型や中間代謝物の関与による光毒性により多発性有棘細胞癌を発症する危険性は広く知られているが,自験例のようにボリコナゾール投与中止後も残存した日光角化症病変から有棘細胞癌の出現がみられることもあり,継続したフォローアップや薬剤師・看護師等コメディカルへのボリコナゾールの危険性の周知と早期から具体的な患者教育が重要である.
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