Japanese
English
症例報告
顎下リンパ節転移を生じた口唇粘表皮癌の1例
A case of mucoepidermoid carcinoma of the lip with submandibular lymph node metastasis
山賀 三紗子
1,2
,
山口 泰之
1,3
,
稲村 衣美
1
,
古屋 和彦
1
,
崔 悠意
4
,
曽根 良子
4
,
本田 進
4
,
木村 中
4
,
笹木 有佑
5
Misako YAMAGA
1,2
,
Yasuyuki YAMAGUCHI
1,3
,
Emi INAMURA
1
,
Kazuhiko FURUYA
1
,
Yueui CHOI
4
,
Ryoko SONE
4
,
Susumu HONDA
4
,
Chu KIMURA
4
,
Yusuke SASAKI
5
1函館中央病院皮膚科
2市立千歳市民病院皮膚科
3廣仁会札幌皮膚科クリニック
4函館中央病院形成外科
5函館中央病院腫瘍内科
1Division of Dermatology, Hakodate Central General Hospital, Hakodate, Japan
2Division of Dermatology, Chitose City Hospital, Chitose, Japan
3Kojinkai Sapporo Skin Clinic, Sapporo, Japan
4Division of Plastic Surgery, Hakodate Central General Hospital, Hakodate, Japan
5Division of Medical Oncology, Hakodate Central General Hospital, Hakodate, Japan
キーワード:
口唇
,
粘表皮癌
,
潰瘍
Keyword:
口唇
,
粘表皮癌
,
潰瘍
pp.749-753
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207396
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要約 49歳,男性.当科初診の1年前に上口唇に皮疹が出現し,徐々に拡大したため,当科を受診した.左上口唇に16 mm大の光沢のある硬い結節を認め,生検の結果粘表皮癌と診断した.腫瘍辺縁より6 mm離して皮膚側から粘膜側まで全層で切除し,単純縫縮した.病理学的に静脈侵襲およびリンパ管侵襲を認め,術後2か月で両側顎下リンパ節腫大が出現した.リンパ節生検で転移病変であることを確認し,放射線治療を追加した.治療後1年を経過した現在,再発・転移は認めていない.赤唇部に粘表皮癌が生じることは稀で,本邦での報告は自験例を含め17例にとどまる.17例中15例が上口唇に発症し,14例が腫瘍中心部に潰瘍を伴っていた.これは赤唇部の粘表皮癌の特徴として捉えられうる可能性がある.一般的に口唇に生じる症例は予後良好だが,稀に再発や転移をきたす場合があり,慎重に経過をみるべき疾患の1つである.
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