Japanese
English
症例報告
匍行性迂回状紅斑様の皮疹を呈した菌状息肉症の1例
A case of mycosis fungoides mimicking erythema gyratum repens
坂口 裕美
1
,
金子 高英
1
,
木村 有太子
1
,
髙森 建二
1
,
須賀 康
1
Hiromi SAKAGUCHI
1
,
Takahide KANEKO
1
,
Utako KIMURA
1
,
Kenji TAKAMORI
1
,
Yasushi SUGA
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科
1Department of Dermatology, Juntendo University Urayasu Hospital, Urayasu, Japan
キーワード:
匍行性迂回状紅斑
,
菌状息肉症
,
難治性アトピー性皮膚炎
,
真菌感染
Keyword:
匍行性迂回状紅斑
,
菌状息肉症
,
難治性アトピー性皮膚炎
,
真菌感染
pp.551-556
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206728
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要約 49歳,男性.40歳頃から体幹を中心にかゆみを伴った紅斑が多発したため,近医でアトピー性皮膚炎と診断され加療されていたが難治であった.半年前から皮疹が急に拡大したため,当科を紹介され受診した.初診時,体幹四肢に匍行性迂回状紅斑に類似する,浸潤を触れる木目状,蛇行状の紅斑が多数みられた.真菌鏡検は陰性.左前胸部の環状紅斑より皮膚生検を施行したところ,異型リンパ球の表皮内浸潤,Pautrier微小膿瘍がみられ,浸潤しているリンパ球はCD4>CD8陽性であった.画像診断でリンパ節を含め,他臓器には浸潤はみられなかった.臨床および病理組織像から菌状息肉症(T2NXM0B0),病期ⅡAと診断.ステロイド外用,エトレチナート内服にナローバンドUVB療法を併用したところ治療開始後6か月で皮疹は寛解した.匍行性迂回状紅斑は内臓悪性腫瘍のデルマドロームとして知られているが,稀ではあるが,自験例のごとく菌状息肉症の皮疹である可能性にも留意して,皮膚生検を実施する必要がある.
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