Japanese
English
症例報告
臀部に発生したdesmoplastic fibroblastomaの1例
A case of desmoplastic fibroblastoma arising in the buttock
吉濱 絵理
1
,
今井 俊輔
1
,
秀野 泰隆
2
,
小林 隆
2
,
林 健
1
Eri YOSHIHAMA
1
,
Shunsuke IMAI
1
,
Yasutaka SHUNO
2
,
Takashi KOBAYASHI
2
,
Ken HAYASHI
1
1東京労災病院皮膚科
2東京労災病院消化器外科
1Division of Dermatology, Tokyo Rousai Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Gastrointestinal Surgery, Tokyo Rousai Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
desmoplastic fibroblastoma
,
collagenous fibroma
,
線維形成性線維芽腫
Keyword:
desmoplastic fibroblastoma
,
collagenous fibroma
,
線維形成性線維芽腫
pp.405-409
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207319
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要約 61歳,女性.15年前頃から右臀部に腫瘤を自覚し,当院を紹介受診した.MRIでは直腸右側に直径約12 cmの分葉状腫瘤を認め,境界は比較的明瞭であった.T2強調像では低信号の被膜構造を有し,内部は不均一な高信号と低信号が混在しており,骨盤内臓器との連続性はなかった.画像所見からはデスモイド腫瘍等を疑った.病理組織では線維性基質の中に紡錘形の腫瘍が疎に存在したが,異型性はなかった.ビメンチンは微小血管には陽性であったが,腫瘍の基質では陰性であり,その他α-smooth muscle actin,デスミン,M-actin,CD34はいずれも陰性であった.病理組織および免疫組織学的所見よりdesmoplastic fibroblastoma(DF)と診断した.当院外科と合同で手術を行い,全摘した.DFは比較的稀な軟部腫瘍であるが,その中でも臀部に発生した例はきわめて少ない.デスモイド腫瘍,他の線維性腫瘍との鑑別も重要である.
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