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増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
1.最近話題の皮膚疾患
IgM類天疱瘡
IgM pemphigoid
岩田 浩明
1
Hiroaki IWATA
1
1岐阜大学大学院医学系研究科皮膚科
1Department of Dermatology, Gifu University Graduate School of Medicine, Gifu, Japan
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
蛍光抗体直接法
,
免疫グロブリンアイソタイプ
,
IgM
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
蛍光抗体直接法
,
免疫グロブリンアイソタイプ
,
IgM
pp.17-20
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207258
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summary
IgM類天疱瘡は最近提唱された疾患概念であるが,疾患の独立性について結論は出ていない.類天疱瘡の診断において,蛍光抗体直接法による基底膜部の自己抗体陽性所見は診断価値が高い.本疾患では,IgGが陰性でIgMのみ基底膜部に線状に陽性となることが最大の特徴である.類天疱瘡は自己抗体の病原性が明確に証明されている疾患であるため,IgM自己抗体の病原性が重要である.しかし,過去の報告では病原性の証明は必ずしも十分でない.これまでの報告例は,免疫学的な検査はほぼ同様の結果であるが,臨床的特徴や治療反応性あるいは病理組織学的所見などには症例ごとに大きく異なる.本疾患において最も興味のある点は独立した疾患なのか,あるいはクラススイッチが生じてIgG自己抗体による通常の類天疱瘡へと進展する前駆症状かという点は,今後の症例の蓄積と長期のフォローで結論が出ることが期待される.
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