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増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
1.最近話題の皮膚疾患
新しい薬疹:分子標的薬,抗アンドロゲン薬など
New drug eruptions : molecular target drugs, anti-androgen drugs, etc.
小林 香映
1
,
渡辺 秀晃
2
Kae KOBAYASHI
1
,
Hideaki WATANABE
2
1昭和大学医学部皮膚科学講座
2昭和大学横浜市北部病院皮膚科
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Showa University Northern Yokohama Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
分子標的薬
,
ホルモン療法
,
抗アンドロゲン薬
,
アパルタミド
,
Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症
Keyword:
分子標的薬
,
ホルモン療法
,
抗アンドロゲン薬
,
アパルタミド
,
Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症
pp.10-16
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207256
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summary
近年,さまざまな抗悪性腫瘍薬が開発され,治療の選択肢はさらに拡大した.一方で,感作T細胞を介した反応だけではなく,非アレルギー性の皮膚有害事象が多数報告されている.分子標的薬とは,腫瘍の原因に関わる特定の分子を選択的に攻撃する薬剤である.皮膚障害の頻度が高い分子標的薬として,細胞増殖に関わる抗体製剤や小分子化合物などの薬剤が挙げられる.これらによる皮膚障害のコントロールが原疾患の治療を継続する上で重要な課題になっている.また,去勢抵抗性前立腺癌に対する新規のホルモン療法として抗アンドロゲン薬のアパルタミドが承認され,効果の高い治療薬として注目されている.一方で皮膚障害の報告が少なくない.臨床型は苔癬型をはじめさまざまであるがStevens-Johnson症候群や中毒性表皮壊死症の報告も少数ながら散見される.現時点ではアレルギー性・非アレルギー性両方の機序が推測されており,今後は体重やBMIを勘案した投与法で皮膚有害事象を減少させることができるかもしれない.
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