特集 毛髪関連疾患
臨床例
LIPH遺伝子変異により生じた先天性乏毛症
村瀬 千晶
1
,
杉浦 一充
,
松本 賢太郎
,
秋山 真志
1名古屋大学 大学院医学系研究科皮膚科学分野
キーワード:
鑑別診断
,
脱毛症-円形
,
乏毛症
,
ミスセンス変異
,
先天性疾患
,
毛髪・鼻・指節骨症候群
,
LIPH Protein
Keyword:
Alopecia Areata
,
Diagnosis, Differential
,
Hypotrichosis
,
Mutation, Missense
,
LIPH Protein, Human
pp.381-384
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2015207725
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<症例のポイント>先天性乏毛症は常染色体劣性遺伝を呈し、日本人における先天性乏毛症の患者には、LIPH遺伝子に共通の創始者変異が高頻度で同定される。日本人にもっとも多いLIPH遺伝子変異であるc.736T>A(p.Cys246Ser)変異をホモ接合型に有する先天性乏毛症の1例を報告した。日本人全体におけるLIPH遺伝子の創始者変異の保因者率は約2%と高い。自験例の両親はともにc.736T>A(p.Cys246Ser)変異をヘテロ接合型に有していた。近年の分子生物学の進歩により、遺伝性脱毛症の疾患原因遺伝子は解明されつつあり、今後治療法の開発が期待される。
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