Japanese
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症例報告
ケナコルト-A®に含有されるカルメロースナトリウムによるアナフィラキシーの1例
A case of anaphylaxis due to sodium carmellose contained in Kenacort A®
松浦 功一
1
,
竹中 祐子
1
,
石黒 直子
1
Koichi MATSUURA
1
,
Yuko TAKENAKA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
アナフィラキシー
,
カルメロースナトリウム
,
ケナコルト-A®
Keyword:
アナフィラキシー
,
カルメロースナトリウム
,
ケナコルト-A®
pp.492-496
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207030
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要約 49歳,女性.左胸部粉瘤の手術創部に生じたケロイドに対してケナコルト-A®の局所皮内注射を開始した.4回目の局注30分後よりほぼ全身に潮紅と膨疹,呼吸困難とSpO2の低下がみられた.アナフィラキシーの診断で抗ヒスタミン薬,ステロイド全身投与が行われ,軽快した.後日,原因精査のため紹介受診した.ケナコルト-A®は皮内テストで強陽性を示した.主剤のトリアムシノロンアセトニド,添加物のポリソルベート80はプリックテストで陰性で,カルメロースナトリウムは陽性(2+)であった.カルメロースナトリウムによるアナフィラキシーと診断した.カルメロースナトリウムはさまざまな製品に含有され,カルメロースナトリウムを含有する製品についての情報提供を要する.また,日常診療で頻用されるケナコルト-A®によるアナフィラキシーの発生があり,含有されるカルメロースナトリウムも原因となりえることの周知を要する.
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