Japanese
English
症例報告
アダリムマブ投与下で陰圧閉鎖療法と分層植皮術を行い寛解が得られた右下腿壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum of the right lower leg successfully treated with negative pressure wound therapy and split thickness skin graft under adalimumab treatment
木下 真太郎
1
,
小泉 滋
1
,
奥山 智香子
1
,
中村 聡子
1
,
稲福 和宏
1
Shintaro KINOSHITA
1
,
Shigeru KOIZUMI
1
,
Chikako OKUYAMA
1
,
Satoko NAKAMURA
1
,
Kazuhiro INAFUKU
1
1君津中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kimitsu Chuo Hospital, Kisarazu, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
抗TNF-α抗体
,
アダリムマブ
,
陰圧閉鎖療法
,
分層植皮
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
抗TNF-α抗体
,
アダリムマブ
,
陰圧閉鎖療法
,
分層植皮
pp.77-82
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207189
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要約 83歳,女性.既往に関節リウマチと軽度の認知症あり.当院初診1か月前,右下腿に潰瘍が出現し前医を受診した.軟膏処置やデブリードマンを行ったが,潰瘍が拡大し当院紹介受診となった.当院初診時,右下腿に疼痛を伴う潰瘍があり,潰瘍底は長趾屈筋腱と後脛骨筋腱が露出し壊死組織が付着していた.病理組織学的所見では,潰瘍部辺縁に好中球を主体とする炎症細胞浸潤を認め,創部培養では有意な菌の発育はなく,臨床所見なども含めて壊疽性膿皮症と診断した.プレドニゾロン30 mg/日を2週間投与したが改善なく,アダリムマブを導入した.その後潰瘍は徐々に縮小したが,大型で上皮化に時間を要すると考え,陰圧閉鎖療法と分層植皮術を行い,25日後に上皮化が得られた.壊疽性膿皮症に対してアダリムマブは有効であり,全身療法で病勢コントロールがついていれば,創傷治癒促進目的での外科的治療の併用は治療選択肢となりうると考えた.
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