Japanese
English
症例報告
自己免疫性肝炎を合併した乾癬の患者に生物学的製剤が奏効した2例
Two psoriasis cases with autoimmune hepatitis successfully treat with biologics
高野 育子
1
,
金子 栄
1
,
松本 香奈枝
1
,
丸山 茂雄
2
,
岡本 栄祐
3
Ikuko TAKANO
1
,
Sakae KANEKO
1
,
Kanae MATUMOTO
1
,
Shigeo MARUYAMA
2
,
Eisuke OKAMOTO
3
1益田赤十字病院皮膚科
2丸山内科クリニック
3益田赤十字病院総合診療科
1Division of Dermatology, Masuda Red Cross Hospital, Masuda, Japan
2Maruyama Internal Medicine Clinic, Hamada, Japan
3Division of General Medicine, Masuda Red Cross Hospital, Masuda, Japan
キーワード:
自己免疫性肝炎
,
乾癬
,
生物学的製剤
,
グセルクマブ
Keyword:
自己免疫性肝炎
,
乾癬
,
生物学的製剤
,
グセルクマブ
pp.225-229
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206916
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要約 症例1:68歳,男性.乾癬を発症後に自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis : AIH)を発症し,ステロイド内服の減量により乾癬の皮疹が悪化したため生物学的製剤を導入し軽快した.症例2:76歳,女性.AIH発症後に乾癬を発症し生物学的製剤を導入し軽快した.2例とも肝炎の臨床症状や血清トランスアミナーゼ(AST,ALT)・IgG値を増悪させることなく,乾癬の症状改善に至った.生物学的製剤はサイトカインをターゲットとしているため,免疫抑制/変調に起因する有害事象を伴うリスクがあり,また乾癬の患者は一定の割合で自己免疫疾患を合併し,生物学的製剤の使用により合併症が増悪するリスクを伴っている.症例からはAIH合併乾癬患者に生物学的製剤投与は行っても良い治療と考えられ,AIH合併乾癬患者の新たな治療選択肢の1つになりうると考える.
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