Japanese
English
症例報告
臍部に発症した乳房外Paget病の1例
A case of extramammary Paget's disease on the umbilical region
境井 尚大
1
,
武重 千沙
1
,
見代 佳奈
1
,
五味 由梨佳
1
,
保坂 浩臣
1
,
藤本 裕樹
2
,
大塚 尚治
2
Naohiro SAKAI
1
,
Chisa TAKESHIGE
1
,
Kana MIYO
1
,
Yurika GOMI
1
,
Hiroomi HOSAKA
1
,
Yuuki FUJIMOTO
2
,
Takaharu OOTSUKA
2
1昭和大学横浜市北部病院皮膚科
2昭和大学横浜市北部病院形成外科
1Department of Dermatology, Showa University Northern Yokohama Hospital, Yokohama, Japan
2Department of Plastic Surgery, Showa University Northern Yokohama Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
臍部
,
乳房外Paget病
Keyword:
臍部
,
乳房外Paget病
pp.237-242
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206918
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要約 81歳,男性.約5か月前から臍部に皮疹が出現した.臍部の陥凹部から右側に辺縁が淡褐色で,中央に鱗屑を伴う35×15 mmの淡紅褐色斑を認めた.皮膚生検を施行し乳房外Paget病と診断した.腋窩は異常なく,陰囊と肛門周囲に紅斑を認めたため生検を施行したがPaget細胞はみられなかった.臍部単発の乳房外Paget病と診断した.PET-CTや造影CTではリンパ節転移や他臓器転移は認めず,腫瘍辺縁から1 cmマージンでmapping生検を行い全摘術を施行した.術後1年経過し再発は認めない.医学中央雑誌で検索したところ,これまで臍部単発で発症した例は自験例を含めて6例と稀であり,発症から診断までに平均4.2年有していた.これは臍部単発の乳房外Paget病も経過が緩徐で自覚症状も乏しく,外陰部の乳房外Paget病と比較すると発見はしやすいものの患者に悪性腫瘍の可能性の自覚はなく,受診までに時間がかかったと考えた.臍部の難治性の局面は臍部の乳房外Paget病も鑑別疾患に必要である.
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