Japanese
English
症例報告
老年期に進行した踵部動静脈奇形の1例
A case of arteriovenous malformation on the heel, progressed in old age
池谷 宗一郎
1
,
吉川 剛典
1
,
阪野 弘之
2
,
亀井 譲
3
,
秋山 真志
1
Soichiro IKEYA
1
,
Takenori YOSHIKAWA
1
,
Hiroyuki BANNO
2
,
Yuzuru KAMEI
3
,
Masashi AKIYAMA
1
1名古屋大学医学部皮膚科学教室
2阪野皮膚科
3名古屋大学医学部形成外科
1Department of Dermatology, Nagoya University School of Medicine, Nagoya, Japan
2Bannno Hifuka, Nagoya, Japan
3Department of Plastic & Reconstructive Surgery, Nagoya University School of Medicine, Nagoya, Japan
キーワード:
動静脈奇形
,
足
,
鶏眼
,
高齢者
Keyword:
動静脈奇形
,
足
,
鶏眼
,
高齢者
pp.31-35
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206871
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要約 74歳,女性.45歳頃に右踵の紅斑を自覚し,60歳頃から紅斑は徐々に拡大した.この頃から同部位の腫脹と自然軽快を繰り返していた.初診2か月前から腫脹が増悪し,抗菌薬治療が無効なため,当院へ紹介され受診した.初診時,右踵部に疼痛があり,最大径3cmの潰瘍を2か所認め,周囲は熱感,発赤,チアノーゼを伴い,踵全体に拍動を触知した.ダイナミック造影CTで高流速性の病変を認め,Schöbinger分類Stage Ⅲの踵部動静脈奇形と診断した.その後,形成外科にて皮膚色調変化部(紅斑,チアノーゼ)全体を,深部はアキレス腱直上まで切除し,遊離広背筋皮弁術を施行した.足の動静脈奇形の症例は稀である.動静脈奇形は若年での進行例が多いことから,老年期での進行例はさらに稀である.高齢者の足底潰瘍でも動静脈奇形を念頭に置き,触診を行うことが肝要である.
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