Japanese
English
症例報告
鼻部の紅斑が初発症状であったALアミロイドーシスの1例
A case of AL amyloidosis with nasal erythematous lesions as initial sign
志水 陽介
1
,
中村 元泰
1
,
伊藤 崇
1
,
鷲崎 久美子
1
,
関東 裕美
1
,
福永 俊二
2
,
鏑木 誠
3
,
石河 晃
1
Yosuke SHIMIZU
1
,
Motoyasu NAKAMURA
1
,
Takashi ITO
1
,
Kumiko WASHIZAKI
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Shunji FUKUNAGA
2
,
Makoto KABURAKI
3
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医療センター大森病院皮膚科
2東邦大学医療センター大森病院循環器内科
3東邦大学医療センター大森病院リウマチ膠原病センター
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Department of Cardiovascular Medicine, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
3Department of Rheumatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
全身性アミロイドーシス
,
ALアミロイドーシス
,
心アミロイドーシス
,
紫斑
Keyword:
全身性アミロイドーシス
,
ALアミロイドーシス
,
心アミロイドーシス
,
紫斑
pp.725-728
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204866
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要約 66歳,女性.約1年前から鼻部に紅斑を自覚し,近医にて加療を受けたが改善がみられず,当科を受診した.初診時,鼻背部,鼻翼部,眉間部に爪甲大までの浸潤を触れる紅斑がみられた.鼻背部紅斑の皮膚生検では,HE染色にて真皮全層に好酸性物質の沈着がみられ,沈着物質はCongo red染色,DFS染色,PAS染色陽性,抗AA抗体陰性であり,過マンガン酸処理でCongo red染色性の減弱はみられなかった.以上よりALアミロイドーシスと診断した.当科初診44日後に,心アミロイドーシスによる心室細動をきたし永眠した.自験例は紫斑を伴わず,全身性アミロイドーシスとしては非典型的な皮膚症状であった.過去の全身性アミロイドーシスの死亡報告例を検討したところ,心アミロイドーシス非合併例において,紫斑を呈する症例では生命予後が短い傾向がみられ,紫斑が血管へのアミロイド沈着と臓器症状の進展を反映している可能性が示唆された.
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