Japanese
English
症例報告
右前腕蜂窩織炎に伴って生じた尺骨動脈感染性仮性動脈瘤の1例
A case of infected pseudoaneurysm of the ulnar artery associated with the cellulitis of the forearm
中西 雄也
1
,
安藤 純実
1
,
坂井 浩志
1
,
高橋 俊樹
2
,
白川 幸俊
2
,
堂前 圭太郎
2
Yuya NAKANISHI
1
,
Yoshimi ANDOU
1
,
Hiroshi SAKAI
1
,
Toshiki TAKAHASHI
2
,
Yukitoshi SHIRAKAWA
2
,
Keitaro DOMAE
2
1医療法人警和会大阪警察病院皮膚科
2医療法人警和会大阪警察病院心臓血管外科
1Division of Dermatology, Osaka Police Hospital, Osaka, Japan
2Division of Cardiovascular Surgery, Osaka Police Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
尺骨動脈感染性仮性動脈瘤
,
蜂窩織炎
,
皮膚超音波
,
造影CT
Keyword:
尺骨動脈感染性仮性動脈瘤
,
蜂窩織炎
,
皮膚超音波
,
造影CT
pp.19-23
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206869
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要約 74歳,男性.初診の14日前に右前腕に蜂窩織炎を発症しクラブラン酸カリウム,アモキシシリン水和物を7日間内服加療され投与4日後には症状の改善を認めていた.初診1日前に右前腕に強い疼痛と拍動を伴って腫脹が出現し当科受診した.超音波検査で皮下に尺骨動脈と連続した円形低輝度領域,造影CTで腫脹部分に一致した造影効果を伴う高吸収域を認め,尺骨仮性動脈瘤と診断した.同日,尺骨動脈瘤修復術施行し,術後右前腕の腫脹改善認め疼痛は消失した.感染性仮性動脈瘤は主に細菌感染により生じる仮性動脈瘤で破裂頻度が高い.四肢に生じる感染性動脈瘤は局所の疼痛を伴う拍動性皮膚腫瘤を呈し,診断には画像検査が有用である.自験例は右前腕蜂窩織炎が尺骨動脈に波及して生じたと考えられた.蜂窩織炎後に有痛性皮膚腫瘤が生じたとき,感染性仮性動脈瘤の可能性を考え拍動の有無を確かめ,超音波や造影CTを行い適切に診断することが重要である.
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