Japanese
English
症例報告
切開ドレナージで合併症を予防しえた非イオン性ヨード造影剤の血管外漏出の2例
Two cases of non-ionic iodine contrast medium extravasation successfully treated without complication by incision and drainage
加藤 和夏
1
,
野々垣 彰
1
,
杉森 彩香
1
,
田中 弘子
1
,
古山 千晶
1
,
小原 明希
1
,
玉木 毅
1
Aika KATO
1
,
Akira NONOGAKI
1
,
Ayaka SUGIMORI
1
,
Hiroko TANAKA
1
,
Chiaki FURUYAMA
1
,
Aki KOHARA
1
,
Takeshi TAMAKI
1
1国立国際医療研究センター病院皮膚科
1Division of Dermatology, Center Hospital of the National Center for Global Health and Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
造影剤漏出
,
コンパートメント症候群
Keyword:
造影剤漏出
,
コンパートメント症候群
pp.13-18
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206868
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要約 症例1:74歳,男性.症例2:64歳,男性.両症例ともに造影CT施行時に非イオン性ヨード造影剤100 mlのほぼ全量が血管外に漏出した.直後より腫脹と疼痛が出現.同日撮影した単純X線像で造影剤の漏出の範囲と程度を把握し,皮膚切開,ドレーン留置を施行した.切開後多量の淡血性の排液が排出された.術後2〜3日後に再度単純X線を撮影し,造影剤が排出されたことを確認しドレーンを抜去した.早期の切開ドレナージにより,コンパートメント症候群や皮膚壊死などの合併症の発症を防ぐことができた.造影剤漏出時は皮膚科にコンサルトされることが多く,コンパートメント症候群を発症するとその後重大な後遺症を残すリスクが高い.われわれ皮膚科医はこれを防ぐために,造影剤漏出時の評価方法および治療方法について熟知し,放射線科など他科や他職種と造影剤漏出時の対応を共有することが大切である.比較的低侵襲な切開ドレナージは積極的に検討すべきである.
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