Japanese
English
症例報告
基底細胞癌との鑑別を要した色素性有棘細胞癌の1例
A case of pigmented squamous cell carcinoma mimicking basal cell carcinoma
中西 雄也
1
,
安藤 純実
1
,
坂井 浩志
1
Yuya NAKANISHI
1
,
Yoshimi ANDOU
1
,
Hiroshi SAKAI
1
1医療法人警和会大阪警察病院皮膚科
1Division of Dermatology, Osaka Police Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
色素性有棘細胞癌
,
ダーモスコピー
,
青灰色領域
,
基底細胞癌
Keyword:
色素性有棘細胞癌
,
ダーモスコピー
,
青灰色領域
,
基底細胞癌
pp.261-266
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206296
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 88歳,女性.顔面の黒色結節を主訴に受診した.左頰部に黒色痂皮が付着したように見える6mm大の黒色小結節を認め,周囲には紅暈を伴っていた.ダーモスコピー上,小結節中央の黒色領域は角化によるものと考えられ,辺縁に青灰色領域を認めた.明らかな皮膚潰瘍および樹枝状血管は認めなかった.病理組織上,表皮と連続して真皮内に胞巣を形成する不整な腫瘍性病変を認め,胞巣内で角化傾向を示し角質真珠を伴っていた.免疫組織染色では腫瘍内にS100蛋白陽性,HMB-45陽性の樹枝状のメラノサイトを認めた.色素性有棘細胞癌と診断し,腫瘍辺縁より1cm離して全切除した.術後約1年半転移再発を認めていない.色素性有棘細胞癌は基底細胞癌と鑑別を要する.ダーモスコピー像はともに青灰色領域,黒色領域を認め類似する.両者の鑑別には,角化所見の有無,樹枝状血管所見の有無が重要であると考えた.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.