Japanese
English
症例報告
幼少期より左下肢の浮腫,腫脹を反復し,細菌感染を契機に診断された重複下大静脈の1例
Double inferior vena cava presenting with repeated edema and swelling of the left lower extremity, diagnosed following bacterial infections
山﨑 雄貴
1
,
松尾 晋祐
1
,
石川 貴裕
1
,
宗次 太吉
1
,
佐藤 貴浩
1
Yuki YAMAZAKI
1
,
Shinsuke MATSUO
1
,
Takahiro ISHIKAWA
1
,
Takichi MUNETSUGU
1
,
Takahiro SATOH
1
1防衛医科大学校病院皮膚科
1Department of Dermatology, National Defense Medical College, Tokorozawa, Japan
キーワード:
重複下大静脈
,
蜂窩織炎
,
皮下膿瘍
Keyword:
重複下大静脈
,
蜂窩織炎
,
皮下膿瘍
pp.25-29
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206870
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要約 53歳,男性.幼少期より左下肢に発赤腫脹を繰り返し,徐々に下肢周径の拡大を認めた.初診6日前より左下腿に発赤が出現,徐々に疼痛を伴い当科に紹介された.左下腿から足背にかけて発赤腫脹があり,足関節周囲は紫紅色調で硬化を伴っていた.また,大豆大までの皮内ないし皮下結節が多発し,一部で自壊し排膿がみられた.白血球数,CRP高値で排膿部位からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus : MRSA)が検出された.左下腿蜂窩織炎および多発皮下膿瘍と診断し,抗MRSA薬投与にて軽快した.胸腹骨盤造影CTでは明らかな骨盤内占拠性病変はなかったが,重複下大静脈を認めた.重複下大静脈は先天性の静脈奇形であり,臨床症状を呈することは稀であるが,還流障害により片側性の浮腫や感染の原因となりうる.
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