Japanese
English
症例報告
Campylobacter fetusによって生じた蜂窩織炎の1例
A case of cellulitis due to Campylobacter fetus
宿院 梨衣
1
,
小野木 裕梨
1
,
井土(小西) なつの
1
,
武藤 義和
2
,
渡邉 直樹
1
Rie SHUKUIN
1
,
Yuri ONOGI
1
,
Natsuno KONISHI-IZUCHI
1
,
Yoshikazu MUTOH
2
,
Naoki WATANABE
1
1公立陶生病院皮膚科
2公立陶生病院感染症内科
1Division of Dermatology, Tosei General Hospital, Seto, Japan
2Division of Infectious Diseases, Tosei General Hospital, Seto, Japan
キーワード:
Campylobacter fetus
,
蜂窩織炎
,
菌血症
Keyword:
Campylobacter fetus
,
蜂窩織炎
,
菌血症
pp.61-65
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790010061
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要約 79歳,女性.2型糖尿病,慢性腎不全などの既往があり,非代償性肝硬変のため腹水濾過濃縮再静注法を行っている.初診5日前より左膝の疼痛があり,偽痛風としてロキソプロフェンナトリウムを処方されるも改善せず,当院救急外来を受診した.左大腿背側から下腿にかけて発赤を伴う腫脹があり蜂窩織炎としてスルバクタム/アンピシリン(SBT/ABPC)の点滴を開始した.第3病日に血液培養が陽性になり塗抹検査でらせん状桿菌が確認され,第6病日にCampylobacter fetusが同定された.局所所見,血液検査所見ともに改善したため第11病日に退院となった.C. fetusはグラム陰性らせん状桿菌であり,動物との接触や汚染された食肉の摂取により感染し,免疫不全患者の髄膜炎や敗血症などの原因菌となる.C. fetusは稀ではあるが蜂窩織炎を引き起こし,菌の同定や抗菌薬選択に難渋することもあるため,必要に応じ感染症内科や臨床検査技師と連携することが重要と考えた.
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