Japanese
English
症例報告
鼻出血を初発症状としたハンセン病の1例
A case of leprosy followed by nasal bleeding
杉田 康志
1
,
谷川 徹
2
,
高橋 宏幸
2
,
石井 則久
3
Yasushi SUGITA
1
,
Toru TANIGAWA
2
,
Hiroyuki TAKAHASHI
2
,
Norihisa ISHII
3
1広島県厚生連吉田総合病院皮膚科
2広島県厚生連吉田総合病院耳鼻咽喉科
3国立感染症研究所ハンセン病研究センター
1Division of Dermatology, Yoshida General Hospital
2Division of Otorhinolaryngology, Yoshida General Hospital
3Leprosy Research Center, National Institute of Infectious Diseases
キーワード:
ハンセン病
,
鼻出血
Keyword:
ハンセン病
,
鼻出血
pp.1191-1194
発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904176
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
58歳,日系ブラジル人男性.1994年に来日.1999年1月頃から鼻出血が出現した.2000年8月頃から両側大腿前面,腹部の表面に軽度紅斑を伴った1.5cm大の皮下腫瘤が多発し,右上腕に境界不明瞭で一部紅色の丘疹を伴った10×5cm大の紅色局面が出現した.鼻腔内では,鼻中隔は肥厚,凹凸不整で,鼻粘膜全体にびらんがみられた.皮疹部は病理組織学的に真皮上層から皮下組織にかけて泡沫細胞と軽度リンパ球浸潤を伴った大小多数の肉芽腫がみられた.抗酸菌染色(Fite法)で泡沫細胞の空胞内に多数の桿菌,菌球の形成がみられ,さらに免疫組織染色では皮膚,鼻粘膜組織中にPGL−1陽性細胞が多数みられた.以上より,鼻出血を初発症状としたらい腫型ハンセン病と診断した.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.