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特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997
2 皮膚疾患の病態
遺伝性棘融解性疾患—ダリエ病,ヘイリー・ヘイリー病
Inherited acantholytic skin disorders : Darier's disease and Hailey-Hailey disease
多田 讓治
1
,
荒田 次郎
1
Joji TADA
1
,
Jiro ARATA
1
1岡山大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Okayama University Medical School
キーワード:
ダリエ病
,
ヘイリー・ヘイリー病
,
棘融解
,
desmosome
,
desmoglein
Keyword:
ダリエ病
,
ヘイリー・ヘイリー病
,
棘融解
,
desmosome
,
desmoglein
pp.65-69
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902172
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棘融解性皮膚疾患は自己免疫性水疱症と遺伝性棘融解性疾患(ダリエ病,ヘイリー・ヘイリー病)に大別され,前者の病因については近年その詳細が明らかとなった.一方,後者は,以前からその病変部の電顕的観察,培養による検討,そして,最近ではdesmosome構成蛋白に関する検討がなされてきた.われわれは,表皮角化細胞の接着構造構成成分(desmoglein, plakoglobin, E—cadherin)に対する抗体を用いて,遺伝性棘融解性疾患の病変部,非病変部におけるそれらの局在を蛍光抗体法,免疫電顕法により検討した.それらは非病変部では正常ヒト表皮と同じように細胞膜上に存在したが,棘融解細胞ではdesmo—glein, plakoglobinは細胞質にびまん性に局在した.E-cadherinはその抗体により異なる分布が認められた.この結果から,遺伝性棘融解性疾患はdesmosomeの解離が第一であると考えられるが,そのtriggerおよび機序を説明するには至っていない.
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