Japanese
English
症例報告
初発症状から7年後にIgG4関連疾患の診断に至った1例
A case of IgG4-related disease diagnosed 7 years after the initial symptom
松山 美江
1
,
植田 郁子
1,2
,
谷崎 英昭
1
Yoshie MATSUYAMA
1
,
Ikuko UEDA
1,2
,
Hideaki TANIZAKI
1
1関西医科大学皮膚科
2大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kansai Medical University, Hirakata, Japan
2Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Osaka University, Suita, Japan
キーワード:
IgG4関連疾患
,
リンパ節腫脹
,
IgG4関連Mikulicz病
,
皮膚病変
,
肺病変
Keyword:
IgG4関連疾患
,
リンパ節腫脹
,
IgG4関連Mikulicz病
,
皮膚病変
,
肺病変
pp.1058-1064
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206846
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要約 49歳,男性.初診の6年前に左下顎部に無痛性リンパ節腫脹が出現した.初診の2年前より左下顎部に紅斑が出現し,その後左耳前部や左頸部,体幹四肢にも拡大し当科を受診した.左下顎部の紅斑の皮膚生検では血管周囲性にリンパ球,形質細胞,好酸球からなる炎症細胞浸潤を認め,真皮に線維化を認めた.背部の紅斑の組織所見では左下顎部と比較し炎症細胞浸潤の程度は軽度であった.木村病を疑いステロイド外用を行ったが,皮疹の改善は乏しかった.その後両側涙腺・耳下腺腫脹,縦隔リンパ節腫脹と胸膜肥厚が出現し,血清IgG4の著明な上昇を認めた.初診時に行った皮膚生検組織でIgG4/IgG陽性細胞比を確認したところ50%以上で,IgG4関連疾患に伴う皮膚病変と診断した.IgG4関連疾患が疑われる症例では経時的に血清IgG4を測定し,血清IgG4の上昇がない症例でも組織学的にIgG4の染色を確認することが重要である.
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