Japanese
English
症例報告
悪性腫瘍を疑う結節状病変を呈した歯性感染症の1例
A case of nodular lesions mimicking malignant tumor caused by dental infection
佐藤 真由
1
,
粂川 宗之
1
,
草野 美沙希
1
,
山本 俊幸
1
,
遊佐 志乃
2
Mayu SATO
1
,
Muneyuki KUMEKAWA
1
,
Misaki KUSANO
1
,
Toshiyuki YAMAMOTO
1
,
Shino YUSA
2
1福島県立医科大学皮膚科学講座
2公立相馬総合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Fukushima Medical University, Fukushima, Japan
2Division of Dermatology, Soma General Hospital, Soma, Japan
キーワード:
歯性感染症
,
外歯瘻
,
結節性病変
,
皮膚悪性腫瘍
Keyword:
歯性感染症
,
外歯瘻
,
結節性病変
,
皮膚悪性腫瘍
pp.807-811
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206789
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要約 90歳,女性.右頰部に可動性やや不良の約2.5cmの紅色びらん性結節を認め,その周囲に約6〜7cmの大きさで硬結を触れた.臨床的に悪性腫瘍を疑い生検したが,病理組織像は真皮全層にわたる好中球と組織球を中心とした炎症細胞浸潤のみで腫瘍細胞はみられなかった.再生検でもやはり腫瘍細胞は確認されず,歯科口腔外科に精査を依頼したところ歯性感染症(外歯瘻疑い)の診断となった.抗菌薬内服と抜歯により症状は著明に改善し,腫瘤は完全に消失した.顔面の炎症所見を伴う結節性病変では,悪性腫瘍や真菌・抗酸菌感染症,炎症性粉瘤などとともに歯性感染症も鑑別に挙げる必要があると考えた.
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