Japanese
English
症例報告
皮膚悪性腫瘍を疑った肛門部扁平コンジローマの1例
A case of condyloma latum of the anus mimicking malignant cutaneous tumor
酒井 貴史
1
,
佐藤 秀英
1
,
佐藤 俊宏
1
,
安井 和明
2
,
近藤 能行
2
,
卜部 省悟
2
,
後藤 瑞生
3
,
藤原 作平
3
,
山手 哲明
4
Takashi SAKAI
1
,
Shuei SATO
1
,
Toshihiro SATO
1
,
Kazuaki YASUI
2
,
Yoshiyuki KONDO
2
,
Shougo URABE
2
,
Mizuki GOTO
3
,
Sakuhei FUJIWARA
3
,
Tetsuaki YAMATE
4
1大分県立病院皮膚科
2大分県立病院臨床検査部
3大分大学医学部皮膚科学講座
4山手皮膚科
1Division of Dermatology,Oita Prefectual Hospital,Oita,Japan
2Division of Pathology,Oita Prefectual Hospital,Oita,Japan
3Department of Dermatology,Faculty of Medicine,Oita University,Oita,Japan
4Yamate Clinic,Oita,Japan
キーワード:
梅毒
,
扁平コンジローマ
,
皮膚悪性腫瘍
Keyword:
梅毒
,
扁平コンジローマ
,
皮膚悪性腫瘍
pp.85-89
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103157
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要約 43歳,男性.約1年前より肛門部に腫瘤性病変を認めていた.徐々に増大してきたため,2010年3月近医より紹介された.初診時,肛門部4時の方向に26×27mmの腫瘤を認めた.皮膚悪性腫瘍を疑い生検を行ったが,明らかな異型細胞は認められなかった.生検後に処方した抗生剤の内服に伴い腫瘤は著明に縮小,ほぼ消失した.この経過から梅毒を疑い,梅毒血清反応検査を行ったところTPLAおよびRPRの上昇が判明した.抗Treponema pallidum subsp. pallidum抗体による免疫染色では,表皮細胞間に多数のTpを認め,肛門部扁平コンジローマと診断した.本症例は大きな結節性病変を主体とする病変であったこと,表面の湿潤傾向が少なかったこと,経過が1年と長期であったこと,両鼠径部リンパ節腫脹を伴っていたことが,最初に皮膚原発の悪性腫瘍を疑った要因と考えた.
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