Japanese
English
症例報告
超高齢者の頸部に生じた皮膚腺病の1例
A case of scrofuloderma on the neck of a super-elderly patient
河合 匡子
1,2
,
吉田 憲司
1,2
Kyoko KAWAI
1,2
,
Kenji YOSHIDA
1,2
1池上総合病院皮膚科
2東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Division of Dermatology, Ikegami General Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University(Omori), Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚腺病
,
抗結核薬
,
高齢者
Keyword:
皮膚腺病
,
抗結核薬
,
高齢者
pp.812-816
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206790
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要約 97歳,女性.10日前に右頸部に自覚症状のない腫瘤を自覚し,前医で抗菌薬内服するも改善せず受診した.右鎖骨上窩に3cm大の発赤・腫脹を伴う皮下腫瘤があり,中央部に膿栓を複数認めた.穿刺培養で結核菌PCRが陽性であることから皮膚腺病と診断した.頸部造影CT検査では右鎖骨上リンパ節から皮膚にかけて造影効果のある腫瘤を認め,リンパ節結核に続発したものと推測した.97歳と超高齢であることから加齢による肝腎機能の低下からくる薬物代謝能力低下に伴う抗結核薬の副作用を考慮し,ピラジナミドは用いずイソニアジド+リファンピシン+エタンブトールを選択し,さらに1日投与量を2/3に減量した.また認知症があったため同居家族に服薬管理を依頼し確実に投与できるよう配慮した.副作用の出現なく経過し初診4か月後に腫瘤は消失した.高齢者は抗結核薬による重篤な副作用を引き起こすことがあるため慎重に投与する薬剤を選択し,投与量の減量を検討する必要がある.
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