Japanese
English
症例報告
高齢の難治性尋常性天疱瘡患者に選択的血漿交換療法を行った1例
A case of refractory pemphigus vulgaris of the elderly treated with selective plasma exchange
村岡 真季
1,4
,
源馬 亜紀
2
,
大井 克征
3
,
秦 美沙
3
,
漆畑 真理
4
,
木村 理沙
4
,
足立 太起
4
,
濱中 美紀
4
,
石河 晃
4
,
陳 怡如
1
Maki MURAOKA
1,4
,
Aki GENMA
2
,
Katsuyuki OI
3
,
Misa HATA
3
,
Mari URUSHIBATA
4
,
Risa KIMURA
4
,
Motoki ADACHI
4
,
Miki HAMANAKA
4
,
Akira ISHIKO
4
,
Yiju CHEN
1
1東京共済病院皮膚科
2東京共済病院耳鼻咽喉科
3東京共済病院腎臓内科
4東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Division of Dermatology, Tokyo Kyosai Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Otolaryngology, Tokyo Kyosai Hospital, Tokyo, Japan
3Division of Nephrology, Tokyo Kyosai Hospital, Tokyo, Japan
4Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
選択的血漿交換療法
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
選択的血漿交換療法
pp.779-785
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206783
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要約 94歳,男性.脳梗塞の既往があり抗血栓薬を内服していた.口腔内に多発するびらんがあり,2019年11月に当科を受診した.抗デスモグレイン3抗体が陽性で,尋常性天疱瘡を疑い,連携大学病院へ紹介した.病理組織所見と併せて尋常性天疱瘡と診断され,ステロイド,免疫抑制剤,免疫グロブリン大量療法で治療し,症状が軽快したため,2020年3月に当院へ転院した.転院後に抗体価の再上昇と陰茎部のびらんの拡大・新生があり,ステロイドを増量し,免疫グロブリン大量療法を施行するも改善なく,血漿交換療法を開始した.単純血漿交換療法と選択的血漿交換療法を併用し,抗体価は低下,大きな有害事象はなく臨床所見は改善した.選択的血漿交換療法は凝固因子を保持でき,新鮮凍結血漿を用いないため,アレルギー反応や感染症等の副作用が少ない.自験例のように出血傾向のある患者では,凝固因子を保持できる選択的血漿交換療法は有効な治療であると考えた.
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