Japanese
English
症例報告
頭部に日光角化症,有棘細胞癌,基底細胞癌を併発し,イミキモドクリーム外用で治療した1例
A case of coexistence of actinic keratosis, squamous cell carcinoma, and basal cell carcinoma on the scalp treated with imiquimod cream
長岡 麻美
1
,
伊﨑 聡志
1
,
藤田 英樹
1
Asami NAGAOKA
1
,
Satoshi IZAKI
1
,
Hideki FUJITA
1
1日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
日光角化症
,
有棘細胞癌
,
基底細胞癌
,
イミキモド
Keyword:
日光角化症
,
有棘細胞癌
,
基底細胞癌
,
イミキモド
pp.623-628
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206746
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要約 80歳,男性.初診9か月前に自覚した頭皮に多発する皮疹を主訴に受診した.初診時,頭皮の広範囲に禿髪がみられ,禿髪部には毛細血管拡張の目立つ紅斑が広がり,厚い鱗屑や痂皮が散在性に付着しており,3個の紅色結節がみられた.6病変から生検し,病理組織学的に日光角化症(3か所),充実型・浸潤型基底細胞癌(2か所),浸潤性有棘細胞癌と診断した.画像検査でリンパ節・遠隔転移を疑う所見はなかった.手術や放射線治療は同意が得られず,イミキモドクリームの外用を日光角化症治療の用法・用量で開始した.13か月経過した時点で,1か所の基底細胞癌の拡大と浸潤性有棘細胞癌の近傍に2つの紅色結節の新生がみられたが,他の病変は著明に改善した.限局した領域に日光角化症,基底細胞癌,有棘細胞癌が多発し,姑息的治療をせざるを得ない場合,イミキモド外用は症状の進行を抑える手段の1つとなりうると考える.
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