特集 皮疹はこう見る,こう表現する
よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する
〈悪性腫瘍〉
日光角化症,Bowen病,有棘細胞癌
前川 武雄
1
1自治医科大学皮膚科
キーワード:
日光角化症
,
Bowen病
,
有棘細胞癌
,
SCC in situ
,
squamous carcinoma in situ
Keyword:
日光角化症
,
Bowen病
,
有棘細胞癌
,
SCC in situ
,
squamous carcinoma in situ
pp.1954-1957
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227267
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▶疾患の概要
〈有棘細胞癌とは〉
皮膚は体表から順に表皮,真皮,皮下組織の順に構成され,表皮はさらに角層,顆粒層,有棘層,基底層の4層に分けられる.このうち有棘細胞癌は表皮有棘層の角化細胞(ケラチノサイト)から発生する癌であり,英語ではsquamous cell carcinoma(SCC)と表記される.他臓器の重層扁平上皮から生じる悪性腫瘍は扁平上皮癌と呼称されるが,有棘細胞癌とはほぼ同義語と考えてよい.有棘細胞癌の中で表皮内癌の状態をSCC in situと呼び,日光角化症(actinic keratosis:AK)やBowen病はSCC in situの疾患である.
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