Japanese
English
症例報告
顔面に有棘細胞癌と基底細胞癌が併発した1例
A case of squamous cell carcinoma co-existing with basal cell carcinoma on the face
長岡 麻美
1
,
車谷 紋乃
1
,
樫村 勉
2
,
藤田 英樹
1
,
照井 正
1
Asami NAGAOKA
1
,
Ayano KURUMATANI
1
,
Tsutomu KASHIMURA
2
,
Hideki FUJITA
1
,
Tadashi TERUI
1
1日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野
2日本大学医学部形成外科学系形成外科学分野
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
重複癌
,
有棘細胞癌
,
基底細胞癌
,
皮膚
Keyword:
重複癌
,
有棘細胞癌
,
基底細胞癌
,
皮膚
pp.59-65
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206562
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要約 76歳,男性.初診の8か月前に右こめかみ部に紅色の皮疹が出現し,次第に増大したため受診した.また,約40年前から左下眼瞼に黒褐色斑があったが放置していた.初診時,右こめかみ部に40×35×18mm大の広基有茎性で表面にびらんを伴う紅色腫瘤がみられた.左下眼瞼から頰部には45×30mmの萎縮性瘢痕様局面があり,辺縁と内部に散在性に灰黒色丘疹を伴っていた.病理組織学的には,右こめかみ部の腫瘤では,好酸性の胞体を有する核異型の目立つ多角形の細胞が角化を伴い増殖し,有棘細胞癌と診断した.左下眼瞼から頰部の局面部の灰黒色丘疹では,真皮内に基底細胞様細胞が胞巣を形成して増殖し,胞巣辺縁では柵状配列がみられ,基底細胞癌と診断した.全身検索で転移はなく,両病変を全切除し,術後再発はない.特に中高年以上で,既に皮膚癌の診断に至っている場合,さらなる悪性腫瘍の所見がないか露光部を中心に十分に観察すべきである.
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