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増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022
3.新しい検査法と診断法
眼部帯状疱疹の眼合併症と新しい多項目迅速PCR検査
Ocular complications in herpes zoster ophthalmicus and a new multiplex solid-phase real-time polymerase chain reaction test
中野 聡子
1
Satoko NAKANO
1
1大分大学医学部眼科学講座
1Department of Ophthalmology, Oita University Faculty of Medicine, Yufu, Japan
キーワード:
眼部帯状疱疹
,
水痘帯状疱疹ウイルス
,
多項目PCR
Keyword:
眼部帯状疱疹
,
水痘帯状疱疹ウイルス
,
多項目PCR
pp.88-92
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206657
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summary
眼部帯状疱疹では,50〜70%に眼合併症を生じ,結膜炎,角膜炎,虹彩毛様体炎,ぶどう膜炎,上強膜炎,強膜炎,続発緑内障などの多彩な病態を呈する.角膜移植や緑内障手術を要する重篤なものも多い.帯状疱疹の病因検査は免疫クロマトグラフィー法が簡便・迅速であるが,2021年現在,眼病変には保険適用がなく,眼内の病勢把握には定量性のある検査が望ましい.眼内液を用いた多項目迅速polymerase chain reaction(ポリメラーゼ連鎖反応,マルチプレックスPCR)検査は,微量眼科検体に対応し,用手操作1分・PCR時間32分で,眼感染症主要病原体を多項目同時に定量可能である.皮疹を伴わない無疹性帯状疱疹の診断や,他の眼感染症との鑑別にも役立つ.先進医療や外注として全国に普及し,眼科臨床現場に迅速PCR検査が普及しつつある.
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