Japanese
English
症例報告
高齢者に生じた皮膚腺病の1例
A case of scrofuloderma in an elderly person
金子 彰良
1
,
島田 秀一
1
,
城野 剛充
1
,
水橋 覚
1
,
牧野 公治
1
Akira KANEKO
1
,
Shuichi SHIMADA
1
,
Takamitsu JONO
1
,
Satoru MIZUHASHI
1
,
Koji MAKINO
1
1国立病院機構熊本医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Kumamoto Medical Center, Kumamoto, Japan
キーワード:
皮膚腺病
,
4剤併用標準療法
,
内因性再燃
Keyword:
皮膚腺病
,
4剤併用標準療法
,
内因性再燃
pp.525-528
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206411
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要約 71歳,女性.当院初診1か月半前に右鎖骨上窩に皮下腫瘤が出現し,初診1か月前には左鎖骨上窩にも皮下腫瘤が出現したため当科を受診した.病理組織では炎症細胞浸潤が主体で肉芽腫は形成せず,組織培養検査では,4週間後に小川培地にてMycobacterium tuberculosisが発育した.T-spot®.TBは陽性,3回連続喀痰塗抹検査は陰性で,胸腹部CTでは傍大動脈リンパ節腫脹は認めたが結節影や浸潤影はみられなかった.皮膚腺病と診断し4剤併用標準療法を行った.日本では人口10万人あたりの結核罹患率は低下傾向を続けているが,他の先進国と比較すると依然高い.皮膚所見から皮膚結核を診断することで,その感染源の臓器特定につながる可能性もある.
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