Japanese
English
症例報告
ラモトリギンの再開,増量に伴い発症した薬剤性過敏症症候群の1例
A case of drug-induced hypersensitivity syndrome induced by readministration of lamotrigine with rapid dose escalation
阿部 敏郎
1
,
古賀 浩嗣
1
,
田尻 真貴子
1
,
今村 太一
1
,
武藤 一考
1
,
名嘉眞 武国
1
,
猿田 寛
2
Toshirou ABE
1
,
Hiroshi KOGA
1
,
Makiko TAJIRI
1
,
Taichi IMAMURA
1
,
Ikko MUTO
1
,
Takekuni NAKAMA
1
,
Hiroshi SARUTA
2
1久留米大学皮膚科学教室
2猿田皮膚科医院
1Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
2Saruta Dermatology Clinic, Fukuoka, Japan
キーワード:
薬剤過敏症症候群
,
ラモトリギン
,
用法用量
Keyword:
薬剤過敏症症候群
,
ラモトリギン
,
用法用量
pp.667-672
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206445
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要約 43歳,男性.双極性障害に対して精神科で加療中であり,ラモトリギン内服で加療されていた.緩徐に増量行いながら8か月内服続けていたが,その後自己中断し,5週後に治療再開したがその際には通常の用法用量よりも速やかに増量された.内服再開から4週間後に38℃台の発熱と全身の紅色丘疹が出現し,HHV-6の再活性化は認めなかったが他の診断基準を満たし,薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)と診断した.治療はプレドニン45mg/日(0.5mg/kg/日)内服で開始し,症状は速やかに改善した.ラモトリギンは推奨された用量を逸脱した症例やバルプロ酸ナトリウムの併用で重症薬疹の報告が多いとされており,自験例においては再開後に通常の用法用量を超えて増量したこともDIHS発症の誘因となった可能性を考えた.
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