Japanese
English
症例報告
小児の汎発性環状肉芽腫の1例
A case of generalized granuloma annulare in a child
村岡 真季
1
,
黒沼 亜美
1
,
濱中 美希
1
,
関東 裕美
1
,
林 健
2
,
石河 晃
1
Maki MURAOKA
1
,
Ami KURONUMA
1
,
Miki HAMANAKA
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Ken HAYASHI
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
2東京労災病院皮膚科
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Tokyo Rosai Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
汎発性環状肉芽腫
,
小児
Keyword:
汎発性環状肉芽腫
,
小児
pp.795-800
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206473
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 7歳,女児.2019年7月中旬に四肢に瘙痒を伴う丘疹が出現し,その後全身に拡大した.近医皮膚科で診断不明として,当科紹介受診となった.顔面・体幹・四肢に紅色丘疹が散在性に多発しており,黄色肉芽腫やLangerhans組織球症を鑑別に挙げ,皮膚生検を施行した.変性した膠原線維を取り囲む組織球の浸潤がみられ,ムチン沈着を伴っており環状肉芽腫と診断した.トラニラスト内服とステロイド外用で初診から4か月後に皮疹は平坦化,色素沈着化した.汎発性環状肉芽腫は限局型と比べ典型的な環状皮疹を呈さないことが多く,特に小児では臨床診断に難渋することが多い.今回の症例を振り返るとほとんどの皮疹は丘疹であったが左肘に1か所小さな環状を呈するものがあり,参考となる所見であった.汎発性環状肉芽腫では環状皮疹と丘疹の混合型も比較的多いため,全身の皮疹をよく観察して環状の皮疹を1つでも見つけることが臨床診断の手掛かりになると考えた.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.